2024/03/30 更新

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マエカワ サトコ
前川 聡子
MAEKAWA,Satoko
所属
経済学部 教授
職名
教授
外部リンク

研究分野

  • 人文・社会 / 公共経済、労働経済

学歴

  • 大阪大学   大学院経済学研究科   経済理論

    1997年4月 - 2000年3月

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  • 大阪大学   大学院国際公共政策研究科

    1995年4月 - 1997年3月

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    国名: 日本国

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  • 関西大学   法学部   法律学

    1991年4月 - 1995年3月

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    国名: 日本国

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所属学協会

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論文

  • 日本における公的負担・給付と水平的公平―全国消費実態調査に基づく実証分析―

    前川聡子

    関西大学 経済論集   72 ( 4 )   1 - 14   2023年3月

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  • 医療費負担と医療需要:財政錯覚は存在するか

    前川聡子

    本間正明監修、松浦成昭・河越正明・日高政浩編著『医療と経済』大阪大学出版会   第5章   118 - 140   2016年12月

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    掲載種別:論文集(書籍)内論文  

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  • 株主構成と設備投資のキャッシュフロー感応度 : 日本の製造業財務データに基づく分析

    前川 聡子

    関西大学経済論集 = Economic review of Kansai University   66 ( 1 )   1 - 18   2016年6月

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:關西大学經済學會  

    新古典派投資理論では企業の設備投資はqで説明できるとしているのに対し、実証分析ではqよりもキャッシュフローの方が設備投資に対して強く影響を与えるとの結果が多い。この違いを説明するのが、投資家と経営者との間の情報の非対称性(asymmetric information)やエージェンシー問題(agency problems)である。しかしながら、近年では、企業活動や資本市場のグローバル化が進んだことで、企業は国内外の投資家に対して経営・財務情報をより積極的に開示する必要に迫られている。こうした変化は情報の非対称性(asymmetric information)やエージェンシー問題(agency problems)を緩和し、設備投資とキャッシュフローの強い相関を弱める方向に働いているのではないだろうか。そこで本論文では、グローバル化による株主構成の変化に注目し、それが設備投資のキャッシュフロー感応度にどのような影響を与えているのかについて分析を試みた。具体的には、日本の上場企業の財務データを利用し、設備投資のキャッシュフロー感応度が海外法人等株式保有比率によって変化しているのかどうかを分析した。その結果、海外投資家の株式保有比率の高い企業では、設備投資のキャッシュフロー感応度は統計的にゼロとなり、qが設備投資に対して強く有意な影響を持つことが明らかとなった。

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    その他リンク: http://hdl.handle.net/10112/11416

  • 公費による財政支援と医療需要

    前川聡子

    一圓光彌・林宏昭編著『社会保障制度改革を考える 財政および生活保護、医療、介護の観点から』第3章、中央経済社   47 - 64   2014年7月

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    掲載種別:論文集(書籍)内論文  

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  • 研究開発と法人税制-企業規模別データに基づく試験研究費税額控除の分析- 査読

    前川聡子

    財政研究   9   267 - 283   2013年10月

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  • TAX PROJECTIONS AND ECONOMIC FORECASTS BY GOVERNMENT BUREAUCRATS: HIDDEN MANOEUVERINGS BEHIND FISCAL RECONSTRUCTION IN JAPAN 査読

    Satoko Maekawa, Mototsugu Fukushige

    JAPANESE ECONOMIC REVIEW   63 ( 4 )   528 - 545   2012年12月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:WILEY-BLACKWELL  

    This paper investigates how the hidden manoeuvrings of governments' fiscal department bureaucrats affect tax projections and economic growth forecasts. The empirical results suggest that they underestimate their tax projections when these are based on their forecasts of government debt. We also analyze the manoeuvrings of fiscal bureaucrats on economic forecasts and find that their forecasts of economic growth rates depend on their own projections of government debt and fiscal deficits.

    DOI: 10.1111/j.1468-5876.2011.00558.x

    Web of Science

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  • A modified Kakwani measure for health inequality 査読

    Michiko Ishikawa, Mototsugu Fukushige

    Health Economics Review   2 - 10   2012年9月

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  • R&D adjusted q theory for fixed capital investment: Evidence from macroeconomic aggregated US data

    前川聡子, 福重元嗣

    『関西大学 経済論集』   第61巻第2号、pp.31-40. ( 2 )   139 - 147   2011年

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    記述言語:英語   出版者・発行元:關西大学經済學會  

    We propose an error correction model that removes the effect of market valuation of intangible capital, R&D investment, to investigate q theory for fixed capital investment. This model has high explanatory power for aggregated US data.

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    その他リンク: http://hdl.handle.net/10112/9701

  • 日本における家計部門の貯蓄率とその推移― SNA、家計調査、全国消費実態調査間の貯蓄率乖離の調整とその比較 ―

    前川聡子

    『関西大学 経済論集』   第59巻第4号、pp.35-47. ( 4 )   35 - 47   2010年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:関西大学  

    本稿では、日本における家計部門の貯蓄率の実態を明らかにするため、従来から問題となっていたマクロ統計(『国民経済計算』)とミクロ統計(『家計調査』)の貯蓄率乖離の問題を取り上げ、その調整を試みた。先行研究では、両統計の概念調整をしてもまだ残る乖離の主な要因は、『家計調査』の調査誤差にあるとされていた。それに対して、本稿では、『家計調査』の誤差は、そもそも『家計調査』の調査対象が2人以上の勤労者世帯に偏っている点にあると考え、単身世帯、無職世帯も含まれている『全国消費実態調査』をベースに家計の平均的な貯蓄率を推計した。その結果、2000年以降については、『国民経済計算』における家計部門の貯蓄率と整合的な貯蓄率を得ることができた。さらに、『家計調査』ではとらえ切れていなかった1990年代後半の貯蓄率低下の傾向も、『全国消費実態調査』ベースで推計することによってとらえることができた。

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  • 「歳出・歳入一体改革と財政収支-マクロ財政収支シミュレーションによる影響分析-」

    前川聡子

    『関西大学 経済論集』   59巻第1号、pp.73-97   2009年

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    「経済運営と財政構造改革の基本方針(骨太方針)2006」において歳出・歳入一体改革の方向性が決定された。本稿では、その効果を明らかにするため、改革を行った場合の国および地方全体の将来の財政状況について機械的試算を行った。試算の結果、次の3点が明らかとなった。第一に、骨太方針2006における改革では、国と地方をあわせたプライマリー・バランスは改善されても、ストック面での財政状況は改善せず、債務残高は累増する。第二に、改革の効果は経済前提に左右される。物価や実質金利の上昇をおさえつつ実質的な成長を引き上げることができれば、プライマリー・バランスの黒字は拡大し、債務残高対GDP比の上昇も抑えることができる。第三に、国と地方にわけて財政状況をみてみると、国の財政健全化を犠牲にして地方の財政改善が行われることになり、国については改革の効果はほとんど期待できない。

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  • 「骨太方針2006における歳出・歳入一体改革のマクロ的評価」

    前川 聡子

    KISER ディスカッションペーパー   No.6   2007年2月

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    構造改革の総仕上げともいわれる「歳出・歳入一体改革」の第一弾として骨太方針2006で今後5年間の改革の方向性が決定された。本稿では、その効果を明らかにするため、改革を行った場合の国および地方全体の将来の財政状況について機械的試算を行った。試算の結果、次の3点が明らかとなった。第一に、骨太方針2006における改革では、国と地方をあわせたプライマリー・バランスは改善されても、ストック面での財政状況は改善せず、債務残高は累増する。第二に、改革の効果はあくまで経済前提に左右される。本稿の感度分析では、物価や実質金利の上昇をおさえつつ実質的な成長を引き上げることができれば、プライマリー・バランスの黒字は拡大し、債務残高対GDP比の上昇も抑えることができる。第三に、国と地方にわけて財政状況をみてみると、地方は早く大幅に改善するのに対し、国はほとんど改善されない。すなわち、国の財政健全化を犠牲にして地方の財政改善が図られることになり、国については改革の効果はほとんど期待できないことになる。やはり、本格的な財政健全化のためには、フローだけでなくストックである債務残高対GDP比の安定的な引き下げを図る必要がある。そのためには、少なくとも骨太方針2006での歳出削減、増税を引き続き行うことを検討すべきである。本稿の試算結果も改革継続が財政健全化に資することを示している。さらに、地方だけでなく国の財政状況も改善できるよう、国から地方への財源移転の改革も検討すべきである。

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  • 「2004年年金改革のシミュレーション分析」 査読

    前川 聡子, 川瀬晃弘氏, 北浦義朗氏, 木村真氏

    『日本経済研究』   第56号   2007年2月

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    2004年6月、①基礎年金の国庫負担割合の引き上げ、②保険料水準固定方式による負担抑制、③マクロ経済スライドによる給付抑制、④有限均衡方式の導入、を柱とする年金改革法が可決された。本稿では、2004年年金改革がもたらす影響について、シミュレーション分析によって総合的に明らかにした。分析結果は以下のようにまとめることができる。第1に、マクロ経済スライドの導入により給付水準を抑制したことで年金財政の安定化を図った。第2に、最終保険料を法定する保険料水準固定方式の導入によって、改革前と比較して2025年の社会保障負担率は1.7%低下するが、潜在的国民負担率の低下は1.2%にとどまる。第3に、給付と負担の世代間格差はほとんど是正されない。第4に、財政再計算の想定が崩れれば、所得代替率が50%を下回る可能性や保険料が18.3%を超える可能性も否めない。2004年年金改革は抜本的な制度改革に向けた重要な成果であるといえるが、残された課題も多いといえる。

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  • Tax-adjusted Cost of Capital and Locational Determinants of Foreign Direct Investment: The Japanese Electric Appliance Industry towards Asian Nations

    前川 聡子, 福重元嗣

    2005年6月

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  • 「社会保障改革による世代別受益と負担の変化」 査読

    前川 聡子

    『フィナンシャル・レヴュー』   2004 ( 3 )   5 - 19   2004年8月

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:国立印刷局  

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  • 「財政・社会保障改革による国民負担への影響」 査読

    前川 聡子, 跡田直澄, 川瀬晃弘, 北浦義朗, 木村真

    『国際税制研究』   11号122-138頁   2003年10月

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    要旨 現在議論されている2004年の厚生労働省の改革試案では、保険料負担は今後引き上げていくものの、上限を設けて年収の20%を越えない水準とし、給付については、所得代替率の50%から50%台半ばを確保しながら、「マクロ経済スライド」で調整を図るとしている。 果たして、このような年金改革によって財政状況はどういう影響を受け、世代間の給付と負担の格差はどうなるのだろうか。本稿ではこの点をシミュレーションによって明らかにすることを試みた。 その結果、財政の抜本的な健全化を図るためには、財政部門のさらなる効率化と年金以外の社会保険改革が必要であることが明らかとなった。ただし、それでは世代間の受益と負担の格差を悪化させる危険がある。世代間格差の改善も図るためには、老年代の社会保障からの受益にも手をつけるような思い切った社会保障改革や、世代間の負担公平を図る税制改革等、総合的かつ抜本的な社会保障ならびに財政構造改革を行わなければならない。

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  • 「財政改革と国民負担」

    前川 聡子, 跡田直澄, 川瀬晃弘, 北浦義朗, 木村真

    内閣府経済社会総合研究所ディスカッションペーパー   72号   2003年10月

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    要旨 急速に進む少子高齢化により、社会保障給付の増大とそれに伴う若年層の負担増加は避けられない。加えて累積した財政赤字の負担も考慮しなければならないことを考えると、今後の財政・社会保障のあり方を検討する上で、長期的な財政収支の推移と世代別の受益と負担がどうなるのかを見極める必要がある。 そこで本論文では、まず、2000年から2100年にかけての国と地方をあわせた財政収支の長期予測を行い、財政改革および社会保障改革を行った場合についてシミュレーションを行った。さらにだぢ緤未寮験兇砲錣燭觚・・・廚班蘆瓦砲弔い討盞彗・鮃圓辰拭・ その結果ず眄・糧緩榲・雰鯀寛修鮨泙襪燭瓩砲呂財政部門のさらなる効率化と年金以外の社会保険改革が必要であることが明らかとなった。ただし、それらの改革はぜ腓箸靴鴇㌫萓ぢ紊慮・・・廚鮓困蕕垢海箸砲覆襪燭瓠・住・世任眞・靴ず垢・犬犬討い訐ぢ經屬亮・廚班蘆瓦粒丙垢鬚気蕕飽⑱修気擦覺躙韻・△襦・ぢ經岾丙垢硫・韻眇泙襪燭瓩砲呂現在老年世代の社会保障からの受益にも手をつけるような思い切った社会保障改革や、世代間の負担の公平化を図る税制改革等、総合的かつ抜本的な社会保険ならびに財政構造改革を行わなければならない。

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  • 「法人課税の残された課題」 査読

    前川 聡子

    『国際税制研究』   10号124-135頁   2003年4月

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    要旨 長期にわたって低迷を続ける日本経済の「活力」を引き出すことを目標に、2002年は法人税引き下げや投資税額控除の実現が議論され、それを受けて平成15年度の税制改正では、法人税率引き下げには至らなかったものの、企業の研究開発や設備投資にかかわる減税が実施されている。しかしながら、特定の投資に対する優遇措置だけでは、経済の活性化に資する税制改革にはならない。税率と課税ベース両方を見直すことが経済の活性化を促すことにつながることも踏まえると、やはり抜本的な法人税制の改革を議論する必要がある。ところが、2002年の税制改正論議では、法人税の税率引き下げについては熱心な議論が行われたにも関わらずげ歙妊戞璽垢砲弔い討竜掴世呂曚箸鵑氷圓錣譴討海覆・辰拭・修海破楾討任蓮∨/誉任硫歙妊戞璽垢望播世鮃覆蝓△修力静世伐・廚諒・・④砲弔い討竜掴世鮴依・垢襦・ 理論的な考察から明らかになったのはご覿筏・呂篁唆箸農農・紊琉靴い・曚覆襪燭瓩鵬歙妊戞璽垢飽磴い・犬犬襪箸企業間や産業間の投資配分に歪みが生じ経済の活性化の足を引っ張りかねないということである。これまでの中小企業を中心とした優遇措置もづ・儡鋐造・茲燭蕕曚楴・暗・鳳篦垢垢襪里任呂覆・その内容や対象を見直した上で整理していくことも必要であろう。

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  • 「貸出リスクの計量分析-地方銀行の貸出金利と収益率の関係から-」

    前川 聡子, 福重元嗣

    林 敏彦他編著『日本の金融問題』日本評論社   213-230頁   2003年3月

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    掲載種別:論文集(書籍)内論文  

    要旨 近年の銀行理論の発展によって、貸出金利や貸出料の決定が契約理論をベースに説明されるようになっている。それによると、貸出金利の上昇が貸出リスクを高めて銀行の期待収益率を下げることによって貸出金利に上限が生じ、その結果として信用割り当てが生じると言われている。 しかしながら、このような理論を受けて、銀行の収益率と貸出金利の関係から貸出リスクの変化を計量的に分析することを試みたものはほとんどない。そこで本稿では、わが国地方銀行の収益率と貸出金利の関係から、貸出リスクの変動要因を明らかにした。 分析の結果、1985年から1996年にかけて貸出リスクの変動とともに、銀行の収益率と貸出金利の関係がダイナミックに変化してきたことが明らかとなった。

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  • 「非営利セクターと寄付税制」

    前川 聡子, 跡田直澄, 末村祐子, 大野謙一

    『フィナンシャル・レビュー』   65号 ( 65 )   74 - 92   2002年10月

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:財務省財務総合政策研究所 ; [1986]-  

    要旨 多様化し、増大する公共サービスへのニーズに応えるための公益的活動を誰がどんな財源で提供するのか?世界のほとんどの国々で、政府でも営利でもない、新たな民間非営利による公共サービス提供の必要性について関心が高まっている。 こうした非営利セクターを第三の公共サービス提供主体として確立するための支援政策のなかでも、大きな役割を担っているのが税制優遇である。そこで本稿では、まず民間非営利組織に関わる制度と税制についての国際比較を試みた。アメリカ、イギリス、日本の3カ国の非営利法人制度比較の結果では、日本以外の国では法人格付与と税制優遇を連動させていないことが明らかになった。次に、アメリカを中心に寄付優遇の根拠、寄付優遇の効果といった点について検討した。さらに、理論的には、利己主義的寄付あるいは利他主義的寄付のどちらであろうとも、税制優遇が寄付を促進させる可能性が指摘され、そうした寄付優遇が寄付に実際どれだけ影響を与えるかの実証分析についての日米比較では、寄付控除や税率変化に対する反応は日本のほうが大きいこと、逆に所得の変化に対する反応は日本のほうが小さいことが明らかにされた。

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  • 「経済の活性化と法人税」

    前川 聡子

    『経済セミナー』 9月号   572号21-26頁   2002年9月

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    要旨 低迷する経済状況を脱し、さらなる経済成長を促すために経済の構造改革の必要性が議論されて久しい。とりわけ、経済活性化のための構造改革として税制改革がとりあげられ、その中でも、法人税が焦点となっている。一体どういう法人税改革が、「経済活性化」に資する改革となるのだろうか。このような問題を考えるためには、「経済活性化」とはどういう意味なのか、「経済活性化」と法人税制はどういう関係にあるのか、ということを明確にしておく必要がある。そこで、本稿では、「経済活性化」と法人税制の関係を理論的に整理しながら、今後の法人税改革のあり方を検討した。 理論的には、産業間や企業規模間、国家間で税制上の扱いが異なることにより、限界費用に格差が生じると、それは産業間、企業規模間、国家間の資本配分を変え、ひいては一刻の経済成長にまで影響を及ぼすことになる。したがってそのような資源配分に歪みをもたらすような制度は改革の対象になる。具体的には、税率や優遇制度の見直し、地方課税のあり方が問題となる。

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  • 「日本における所得税改正と所得税収の変化」 査読

    前川 聡子

    『国際税制研究』   8号145-162頁   2002年2月

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    要旨 深刻な財政赤字を抱える中で、税収規模の大きな所得税の抜本的改革を実現するためには、経済の活性化だけでなく、税収や税負担への影響も考慮しながら改革内容を検討していく必要がある。そこで本稿では、所得税の中でも給与所得税に焦点を絞り、給与所得税収総額の推移におけるこれまでの税制改正による変化分を推計した。 本稿で得られた主な結果をまとめると次の3点に集約される。 第一に、高成長期で所得の伸びが高い時期の税制改正は、所得控除引き上げによる Tax Expenditure の拡大で税負担や税収が減少する効果よりも、税率引き下げによる税負担・税収減少の効果のほうが大きい。それに対して、低成長期で所得の伸びが小さい場合や税率変更がない場合での所得控除の引き上げは、低所得者層からの中間層の税負担を引き下げ、税収を減少させる効果を持つ。 第二に、低中所得層の税負担については、税率変更よりも所得控除を通じた Tax Expenditure の増減に影響をうけることが明らかとなった。高所得層については、他の所得層とは異なり、税率変更の影響の方が所得控除変更の影響よりも大きい。 第三に、税制改正の税負担・税収に対する効果は、所得の伸びが大きい場合には名目所得の上昇により、たとえ税率表の改正を行っても税負担は上昇してしまう。このことは、適用税率の変化が生じにくい低所得層から中間所得層の負担に影響を与えてきた。

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  • 「緊急経済対策と税制」 査読

    前川 聡子, 跡田直澄

    『国際税制研究』   7号98-110頁 ( 7 )   98 - 110   2001年10月

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:納税協会連合会  

    要旨 経済の基本的な構造は、企業がヒト(労働)、カネ(資本)、土地を利用してモノ(製品・商品)を生産し、家計がそれを市場を通じて購入することである。理想的には、このようなしくみの中でヒトやカネが高い生産性を持つ産業や経済成長や成長産業に流れて、より高い付加価値をつけたモノが生産されるようになり、企業の収益ひいては家計への配分が増加して経済成長が促されることになる。 税制改革は、日本経済の構造改革を行う上で必要であるにもかかわらず議論の進展が見られない。果たしてカネ(資本)、ヒト(労働)、土地の利用の流動化を図るためには、どのような税制改革が必要なのだろうか。本稿では、これらの3つの分野に関する現行税制の問題点を踏まえながら改革の具体案を提示した。 資本利用に関しては、間接金融中心の資本供給から直接金融にシフトさせる改革を行うことにより、これまでの間接金融が抱えている硬直的な資本配分の問題を解消することができる。具体的な税制改革案としては、家計の長期の安定した株式保有を促すための優遇措置を設けることを提案する。次に、土地の利用に関しては、土地のより有効な利用を促すような税制改革が必要となる。具体的には、これまで実質的には低い負担に抑えられてきた土地に対する固定資産税を適正化することが求められる。最後に、労働利用に関しては、より生産性の高い産業・成長産業へと労働力をより迅速にシフトさせるため、失業期間を短縮化させる税制上の措置が求められる。

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  • 「日本型連結納税制度の提言」

    前川 聡子, 跡田直澄

    『税研』   99号56-63頁 ( 2 )   56 - 63   2001年9月

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:日本税務研究センタ-  

    要旨 連結納税制度の導入をめぐる現在の議論は、制度の移行過程で生じる法人税収の減少にとらわれすぎるあまり、導入の本来の目的を見落としている。連結納税制度は、経済活動のグローバル化に伴う企業経営の効率化を促進させ、経済構造改革を推し進めるための制度である。この目的達成には、連結決算をもとにした優良企業を対象とする納税を行う必要がある。

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  • 「地方税財政の現状と課題」

    前川 聡子, 本間正明

    本間正明・斉藤愼編著『地方財政改革』有斐閣   第1章   2001年9月

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    要旨 2000(平成12)年4月、いわゆる「地方分権一括法」が施行され、久しくその必要性が議論されていた地方分権も、実現に向けた準備が整いつつある。ところが実現の地方財政の状況は、地方分権への動きとは逆に、国への依存をますます強めている。そこで本章では、財政面での地方分権を図る上で課題となる国と地方の財政関係と地域間の財政調整、および地方税をめぐる意思決定システムを取り上げ、現状における問題点を明らかにするとともに、実質的な地方分権に向けた地方税改革の方向性を検討した。 本章で焦点をあてたのは、国と地方の財政関係と地域における受益と負担の関係である。その結果、地方税財政の現状は「自律」したものからはほど遠いことが示された。マクロ的にみても、地域の受益と負担のバランスをみても、地方が国に依存していることは明らかである。 この問題を解消し、「自律」した地方財政を確立するための課題として本章では次の2つを取り上げた。一つは、国からの資金移転のあり方を変えると同時に、地方税を拡充・強化して国からの移転資金に頼らない歳入を確保することである。いま一つの課題は意思決定についてである。地方の「自助と自律」をより確かなものにするためには、地方税について自治体が集まって改革の内容を議論し、検討する場を設ける必要がある。

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  • 「地方税改革のあり方とその影響について」

    前川 聡子

    『ESP』 10月号   26-63頁   2001年9月

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    要旨 改革の必要性は十二分に認識されているけれども、具体的かつ現実的な政策についての議論が乏しい改革課題の一つが地方分権である。「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」(「骨太の方針」)では、「国と地方の自立した関係」を構築するため、補助金や地方交付税の範囲・水準の縮小、地方交付税の客観的基準による配分、市町村再編の促進等が提言されている。 ただしここで注意しなければならないのは、国から地方への資金移転と併せて地方の財源を充実させる改革も行って地方の財政基盤を固めなければ、財政的な「地方の自立」を確立することにはならないということである。 いったい国からの移転資金に依存している現状を改善しながら地方税を充実させるためにはどのような案が考えられるだろうか。さらにその改革の地方財政への影響はどうなるのだろうか。本稿では、これらの点を明らかにするため、「国と地方の独立した関係」を目指した具体的な地方税改革改革案を提示するとともに、その改革案がもたらす地方自治体への影響を紹介する。具体的には、本稿では、個人に関して住民税の比例税化と住民税・所得税の共同税化、法人に関しては事業税の外形標準化のシミュレーション結果を紹介した。それによると、これらの地方税改革は全体として地方税の充実・改善に貢献することが明らかとなった。

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  • 「地方税源充実に向けて」

    前川 聡子, 橋本恭之

    本間正明・斉藤愼著者『地方財政改革』有斐閣   第5章   2001年6月

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    要旨 地方分権を実現するためには、地方の歳入において、地方自治体が自前で調達できる税収の比率を高め、国からの資金移転をできる限り少なくしていくことが課題となる。 本章では、そのための具体的な改革案として個人所得税・住民税の改革と地方消費税率の引上げを検討するとともに、消費税率を引き上げて、消費税の半分を地方にまわす改革案も検討した。 シミュレーションの結果、所得税・住民税を共同税化すれば、地方の税収を大幅に強化できることがわかった。しかも、税率表の設計に配慮すれば、所得税・住民税の個人の税負担をほとんど変えずに、国と地方の税収配分を変化させることができる。したがって、地方財源充実をめざした当面の税制改革としては、所得税・住民税を共同税すべきである。さらに、長期的な財政収支の改善も目指すならば、少なくとも2005年には消費税率を8%にまで引き上げざるを得ないだろう。この場合、消費税収に占める地方消費税の比率を引き上げれば、一層の地方財源の充実と地域間の税収格差の是正が達成できる。 ただし、現行の交付税システムを維持したまま地方交付税の総額を削減した場合には、交付税による財政調整機能が大幅に低下する。そこで富裕団体で余った税収を貧しい団体へ移転する水平的交付税のような新たな地域間の財政調整制度の導入が不可欠である。

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  • 「わが国所得税課税ベースのマクロ推計」

    前川 聡子, 森信茂樹

    『フィナンシャル・レビュー』   57号103-122頁   2001年1月

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    要旨 わが国所得税の残された課題は、課税ベースの見直しである。そこでわれわれは、1980年以降のわが国所得税の課税ベースの大きさを国民所得統計と税務統計を使って計測し、その時系列的な変化を見ていくこととした。本稿の分析は、課税ベースの規模が全体としてどのくらいなのかを、国民経済計算(SNA)のデータと税務関係のデータの整合性を調整しながらマクロレベルで計測したことに特徴がある。さらに本稿の特徴として挙げることができるのは、課税ベースの大きさを左右する要因として社会保障と所得控除を取り上げ、社会保障の拠出・給付の規模ならびに各所得控除の規模と課税ベースとの関係にも言及したという点である。 その結果、わが国における所得税課税ベースの時系列的な変化の特徴として次の3つのことが分かった。第1は、社会保障給付の拡大が最終的な課税ベースの規模を縮小させる大きな要因となっていることである。第2は、人的控除である扶養控除や配偶者控除、配偶者特別控除は縮小傾向にあることが明らかとなった。最後に、人的控除が縮小傾向にあるのとは対照的に、給与所得控除は1994年以降徐々に拡大する傾向にあることが明らかとなった。

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  • 「国立学校特別会計とその政策的評価」

    前川 聡子, ウォーラウェーット・スワンラダー

    大阪大学ディスカッションペーパー   /01-02   2001年

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    要旨 大学における教育研究の改革をめぐる議論が盛んに行われている。大学教育、研究の質の向上、大学の多様化、個性化を実現させるためには、各大学の財政基盤もそれに応じて整備していく必要がある。ところが、実際の大学の財政基盤もそれに応じて整備していく必要がある。ところが、実際の大学の財政運営をみてみると、特に国立大学においては、国立大学特別会計を通じて国が一括して管理しているのが現状である。各国立大学の収入はいったん国立大学特別会計に集められ、その後各国立大学へ分配されるしくみになっている。深刻な財政赤字を抱えている現在、政府も会計運営を効率的に行うことが求められている。果たして、国立大学特別会計による予算配分は、「効率的」に行われているのだろうか。 このような問題意識に基づき、本稿では「効率的な」予算配分をニューパブリックマネジメント理論に基づいて整理した上で、国立大学特別会計の予算配分の実態について実証分析を行った。その結果、国立大学特別会計を通じた各国立大学への予算配分は、教育研究の水準ではなく、職員数や学部・研究科数のような「外形的」な基準に基づいて行われてきたことが明らかになった。今後は、教育・研究に代表される大学のパフォーマンスの状況も予算配分に反映していくことが重要な課題といえるだろう。

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  • 公的資本と企業価値の関係に関する実証分析 : もうひとつの公的資本像による資本コスト消滅効果

    スワンラダー ウォーラウェット, 前川 聡子

    大阪大學經濟學   50 ( 1 )   66 - 79   2000年9月

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:大阪大学  

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  • 個人所得税の課税ベースの現状と問題点-所得控除の変遷と階層別税負担構造の変化を計測する- 査読

    前川 聡子

    『国際税制研究』   4号119-124頁 ( 4 )   119 - 124   2000年4月

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:納税協会連合会  

    要旨 政府税制調査会では各税制に関して「基本問題小委員会」が設置され、「税制全般の今後のあるべき姿」についての議論が進められている。その中で個人所得税について特に議論されているのは、課税最低限に代表される課税ベースのあり方である。 課税最低限のあり方を検討する場合、単にその水準だけを問題にするだけでは十分とはいえない。所得税の負担に対する影響という観点からも検討する必要がある。つまり、税率も考慮した所得税の負担構造に対して、所得控除額の大きさがどのような影響を与えているのかということも重要である。それでは一体、所得控除額の大きさは現在の日本における個人所得課税の負担状況に対してどのような問題を引き起こしているのだろうか。 本稿ではこの点について、データに基づいた推計結果を提示することによって、今後の議論の布石としたい。具体的には「家計調査」の収入階級別(十分位)のデータを利用して、収入階級別に所得控除の大きさと税負担率の推移を推計した。 推計の結果、税負担立のあり方を収入階級別にみた場合、その構造に偏りが生じてきていることが分かった。特に低所得者層は所得控除額の引き上げによって、1990年以降ほとんど税負担をしていないことが明らかとなった。今後は、このような所得階層間での負担の違いも考慮しながら、課税最低限の水準を決めていくことが重要である。

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  • 「連結納税と設備投資」

    前川 聡子, 上村敏之

    『企業税制改革』跡田直澄編著日本評論社.   2000年

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    要旨 本稿では、連結納税制度の導入によって期待されている設備投資促進効果の有無を明らかにするため、連結ベースでの投資行動と法人税制の関係を、単独ベースとの比較により分析した。具体的には、個別及び連結財務データを使って計測した Tax-adjusted Q をもとに、産業別(繊維・化学・一般機械・電気機械・輸送機械・精密機械・建設・運輸通信)の投資関数を推定した。 推定の結果、1990年代に入ってからほとんどの産業で(繊維、建設を除く)個別、連結ベースともに投資関数が成立しているものの、各ベースの Tax-adjusted Q の変化に対する投資の反応度は産業によって異なっていることが分かった。このような産業による影響の違いを考慮すると、連結納税制度導入が単純に設備投資を増加させるとは限らないといえる。

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  • 「海外直接投資の立地選択と資本コスト」

    前川 聡子, 福重元嗣

    神戸大学ディスカッションペーパーNo.3.   2000年

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    要旨 経済活動がグローバル化が本格的に進展している現在、法人税負担のあり方をめぐる議論においても国際的な観点から検討することが重要になってきている。そこで本稿では、法人税の負担が企業の海外進出に与える影響について実証的分析を行った。分析の特徴は、法人税負担を資本コストという限界的な指標で捉えた点と、それが投資国の選択に与えてきたのかどうかせ・藁鹽・砲澆討修留洞僧呂吠儔修・△辰燭・匹Δ・鯡世蕕・砲靴薪世砲△襦・気蕕砲海外直接投資をめぐる税制として投資優遇政策の効果が問題になることも考慮してねザ・蔀屬・・僂気譴訖塀佚・蕕了駛椒灰好函蔽惨鍰・併駛椒灰好函砲箸優遇措置適用期間後の資本コスト(長期的なコスト)を明示的に分けて分析を行った。 分析対象はて鐱椶療典さヾ鏤唆箸離▲献・蟷餝萋亜奮こ飴匆饉劼寮瀘・砲箸靴Conditional Logit Model を用いて1986年以降1995年までの投資国の選択とじ獣呂侶从冤廾・箸隆愀犬鮗他擇靴拭・ 分析の結果ぅ廛薀狭膂娑聞潺丱屮覺釮砲・韻討瞭鐱楷覿箸呂主として現地での安い労働力を目当てにして海外投資を行っていたのに対し、近年ではは・・駘僂世韻任覆・資本コストやインフラ等も重視して、進出先を決定していることが分かった。さらにつ拘鍰・併駛椒灰好箸留洞僧呂里曚Δ・四軼・併駛椒灰好箸留洞僧呂茲蠅眤腓④い海箸・┐気譴燭海箸・蕁・惨鍰・瞥ザ・蔀屬世韻粘覿箸・蟷饑茲魴萃蠅靴討い襪里任呂覆い箸いΔ海箸睫世蕕・箸覆辰拭

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  • 「消費税と消費行動」 査読

    前川 聡子, 橋本恭之

    『税研』   /93,53-59   2000年

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    要旨 7月に発表された政府税制調査会の中期答申では、消費税税率引き上げが示唆されている。そこで本稿では、1997年の消費税率2%がもたらした物価上昇の程度と家計の消費行動の変化を検証したが、消費税率引き上げは家計消費を減少させていたものの、1997年以降の景気後退の最大の原因とは言い難いことが分かった。長期的な財政収支の改善を図るならば、少なくとも2005年には消費税率を8%に引き上げる必要があるだろう。この消費税率の8%引き上げによる家計消費の減少は、ライフサイクルモデルによるシミュレーションによると、0.78%にすぎないであろう。

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  • 「法人税制の問題点と改革の方向性」 査読

    前川 聡子, 本間正明

    『国際税制研究』   /5,75-87 ( 5 )   75 - 87   2000年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:納税協会連合会  

    要旨 法人税制改革をめぐる議論では、税制改革の3原則である「効率」「公平」「簡素」のうち「効率」が問題になる。しかし、一口に「効率」といっても厳密には2つの意味がある。ひとつは個々の企業における投資や雇用の決定についての効率性であり、もうひとつは産業間や企業規模間、あるいは国と国との間での投資や雇用の配分についての効率性である。前者はミクロレベルでの効率性、後者はマクロレベルでの効率性といえる。両者は相互に密接に関連しており、どちらも経済の資源配分の効率性を高め経済活動の活性化を促すという点で共通している。したがって、「効率」を目指した税制改革を検討するのであれば、両方のレベルでの効率性とその相互関係も考慮しながら議論を進めなければならない。とりわけ、情報技術革新が進み、国際的な協商力がますます激しくなっている経済状況を踏まえるならば、マクロレベルでの効率性の追及がより一層重要になっている。 マクロレベルでの資源配分の効率性を考えるポイントは、産業間や企業規模間、国際間での税制上の扱いの違いをできるだけ排除していくということである。本稿で指摘しただけでも問題は山積している。具体的な改革議論では実務上の細かな論点に議論が集中しがちであるが、経済活動における効率的な資源配分を目指すという改革の方向性を常に念頭に置いておいて議論を進めていくことが肝要であろう。

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  • 「アメリカとの所得税額課税ベース比較分析-」

    前川 聡子, 森信茂樹

    『税研』 第89号   /89 ( 4 )   73 - 86   2000年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:日本税務研究センタ-  

    要旨 個人所得税の根本的な見直しが政府税制調査会をはじめとして議論されている。所得税の問題点としては、税率と課税ベースの2つに分けることができる。このうち税率については、平成11年度の税制改正で最高税率が引き下げられ、所得税制上の1つの大きな問題が解決された。そこで本稿では、日本の個人所得税制における残された課題として、課税ベースの問題を取り上げた。具体的には、課税ベースのマクロレベルでの大きさを日米で推計・比較することにより、課税ベース算定に関する日本の所得税制以上の問題点について検討した。この結果、給与所得控除、公的年金投稿所等、わが国の各種所得控除が米国と比べて手厚いことなどが明らかになった。

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  • 「連結納税制度の経済的効果」

    前川 聡子, 本間正明

    『税研』 第90号   /90   2000年

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    本稿では、連結納税制度導入による経済的な影響を、税負担や税収面への影響と資本利用の効率性という2つの側面から、データを使って分析した。その結果、税負担や税収面については、連結納税制度による税収減を避けることは難しいこと、特に・傘弯饗愀殖では企業グループ内での赤字額が多い場合に、課税所得がかなり縮小されることが分かった。効率性については、資本コストの水準を比較した結果、「連結納税型」の場合に資本コストを引き下げる効果が期待できることが明らかになった。制度導入にあたっては、このような経済的な影響や財政状況も考慮して実行可能な形で行うべきである。

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  • 「企業課税の中長期的展望」

    前川 聡子, 本間正明

    『税研』 第91号   /91   2000年

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    要旨 法人税制をめぐる論議は、大きな転機を迎えている。国内経済の景気に薄日が差してきたという状況を考慮すると、今後、法人税改正を行うにあたっては、景気対策として短期的な効果を期待する改正ではなく、より本質的に法人課税のしくみ自体を再構築する方向で改革を検討する必要がある。 法人税改革については、「効率性」を求めることが要求されるが、果たして「効率性」とはどういう意味なのか。現行の法人税制の課題は「効率性」の点でどのような問題があるのだろうか。本稿では、「効率性」の経済学的な意味を明にした上で、原稿法人制の論点について整理する。

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  • 「事業税の外形標準化と資本コスト」

    前川 聡子

    『大阪大学経済学』   48/3-5 ( 3 )   282 - 299   1999年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:大阪大学  

    要旨 事業税の外形標準化について、本稿では・﨓╂③という観点からその影響を実証的に明らかにした。具体的には、事業税の外形標準化の案として議論されている⊇蠧牲辛娉嘆礎唯、⊂暖餬辛娉嘆礎唯、・亙・暖饑撚州の3つについて、企業規模別、業種別に改革前後の資本コストを計測することで、外形標準化による影響を明らかにした。このように資本コストの変化を通じて、事業税外形標準化による税制上の歪みの変化を分析することができる。 計測の結果、事業税を外形標準化により資本コストは小さくなることが明らかとなった。議論されている改革案(所得型付加価値、消費型付加価値、地方消費税化)の中では、消費型付加価値の場合に資本コストを下げる効果が最も大きくなる。ただし、これを業種別や資本金階級別にみると、業種や資本金階級によって資本コストが上昇するところと減少するところがあることが分かった。そこで、資本コストの変化を借入に関する部分、自己資金に関する部分、税制上の損金算入に関する部分に分けて分析すると、借入に頼っている中小企業や業種、あるいは減価償却等の損金算入による税の節約が大きい業種において、外形標準化による資本コストの上昇が生じていることが明らかとなった。したがって、事業税の外形標準化は、業種間、規模間の資源配分の非効率性を緩和することに貢献できると考えられる。

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  • 「産業別の投資行動と法人所得税」 査読

    前川 聡子, 上村敏之

    『日本経済研究』第41号   /41   1999年

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    要旨 低迷する設備投資を促すため、1999年度の税制改正で法人税率が大幅に引き下げられたが、果たして税率引き下げは本当に設備投資促進に効果があるのだろうか。また、産業間でその効果に違いはないのだろうか。本稿はこれらを実証的に明らかにするため、Q 理論に基づく投資関数を産業別に推定し、税率引き下げによる設備投資への影響についてシミュレーション分析を行った。 企業財務データを利用した推定では、Q の設備投資に対する説明力の高さを実証することに成功した。シミュレーションの結果では、法人所得税率の引き下げの効果は産業ごとに異なり、必ずしも投資促進にならない産業が存在することが明らかとなった。これは、税率引き下げによる節税効果の減少が企業価値の増加を上回ることが原因である。すなわち、産業ごとの企業価値の変化、財務体質、調整費用の違いにより、税率の引き下げが単純に投資促進に結びつかない産業がでてくるのである。

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  • 「社会福祉とボランティア-日韓の事例研究-」 査読

    前川 聡子, 跡田直澄, 金領佑

    『季刊社会保障研究』   35/3 ( 3 )   264 - 275   1999年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:国立社会保障・人口問題研究所  

    要旨 本格的な少子・高齢化社会を迎え、社会福祉サービスの充実・向上を図ることが課題となっているが、福祉サービス供給の・﨓╂③や⇒Ⅳ暙③まで考慮した議論は行われていない。そこで本稿は、・﨓╂③と⇒Ⅳ暙③の観点から、日本における社会福祉サービスの問題点を明らかにし、今後求められる政策の方向性を提示した。 ・﨓╂③については、日本の社会福祉費用の中心である措置費に焦点を絞り、措置費の規模の伸びに比べて利用度の伸びが低いことを明らかにし、措置費が非効率的に使われてきた可能性があることを示した。このような非効率性を解決する方法として、韓国での取り組みを紹介しながら、サービスの質についての評価をコストの算定に反映させることを提案した。 より質の高いサービスを供給するためにはどうすればよいか、という⇒Ⅳ暙③については、ボランティア活動の活用に注目した。まだ十分に定着していないボランティア活動を活用するには、まずボランティア参加を促す政策が必要である。そこでアンケート調査の回答を利用してボランティア参加決定の要因について実証分析を行った。その結果、ボランティア休暇制度のような推進制度の拡充を図ること、受入先である非営利組織を支援する制度(資金援助や税制上の優遇、ネットワークセンターなど)を整備する必要があることが示された。

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  • 「震災ボランティアにみるボランティア活動の実証分析」

    前川 聡子

    『大阪大学経済学』   49/2   1999年

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    要旨 阪神大震災をきっかけにボランティア参加への意識が高まったと言われている。しかしながら、その実態を見ると、意識の高まりほどボランティア活動への参加は伸びていない。ボランティア活動への参加を支援する制度として、現在、民間企業では▲椒薀鵐謄・・找棒・截や▲椒薀鵐謄・・擔・・截が行われているが、果たして、これらのボランティア活動推進制度には目的どおりの効果があるのだろうか。本稿では、ボランティア活動と支援制度との関係について実証分析を行い、その分析結果をもとに、今後のボランティア活動促進政策の方向性を検討した。 具体的には、阪神淡路大震災の被災地でボランティア活動に携わっていた人へのアンケート結果を利用し、ボランティア活動に参加するか否かの意思決定、および、ボランティア活動期間とボランティア活動推進制度との関係を分析した。分析の結果わかったことは次の通りである。参加意思決定については、過去のボランティア経験の有無がその後のボランティア参加にも影響を与えること、勤め人のボランティア参加促進には、▲椒薀鵐謄・・找棒・截等の支援制度に効果があることが明らかとなった。ボランティアの供給量に関しては、受入れ先であるボランティア組織への支援が必要であること、学生等へのボランティア活動の認定制度に効果があることもわかった。したがって、ボランティア促進には、参加者の立場に応じた利用しやすい制度を整備していくと同時に、ボランティア団体同士のネットワーク化や情報提供の充実も重要であることが明らかになった。

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  • 「企業のグループ化と納税制度-連結決算データと単独決算データにおける投資行動の比較分析-」

    前川 聡子, 上村敏之

    東京財団ディスカッションペーパー   /3   1999年

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    要旨 日本において、連結納税制度導入が法人税制改革の課題の一つとして検討されている。この背景には、税制もグループ化した企業行動に合わせるというだけでなく、連結納税制度によって税負担を軽減し、景気低迷で冷え込んでいる企業の設備投資へのインセンティブにしようとする狙いもある。 果たして、連結納税制度の導入は企業の設備投資を促進させる効果が期待できるのだろうか。このような問題意識に基づき、本稿では、納税制度と設備投資との関係について、連結決算ベースでの分析と単独決算ベースでの分析との比較を通じて分析を行った。このような比較を行ったのは、現行では個別社会に課税されていることを考慮し、新たに連結ベースで課税が行われた場合の影響を、現行との比較により明らかにするためである。 具体的には、個別及び連結財務データを使って計測したTax-adjusted Q をもとに、産業別(繊維・化学・一般機械・電気機械・輸送機械・精密機械・建設・運輸通信)の投資関数を推定した。その結果、1990年代に入ってから繊維、建設を除くほとんどの産業で個別、連結ベースともに投資関数が成立しているものの、各ベースのTax-adjusted Q の変化に対する投資の反応度は産業によって異なっていることが分かった。したがって、連結納税制度の導入の効果は産業間で異なるため、単純に設備投資が促進されるとは限らないといえる。

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  • 「日本の所得課税を振り返る」

    前川 聡子, 跡田直澄, 橋本恭之, 吉田有里

    『フィナンシャル・レビュー』   /50   1999年

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    要旨 現在進められている税制改革はグローバル・スタンダードに適応し、日本経済の構造改革に資するものなっているのであろうか。また、今後はどのような改革が必要なのであろうか。このような問題意識のもとで、本研究では、わが国の所得課税とりわけ労働所得に対する課税と起業に対する課税をとりあげ、それぞれの戦後から今日までの変遷を振り返りながら、両税が社会経済の中で果たしてきた役割を明らかにする。 第Ⅰ章では、わが国の税制全般を負担と税収構成という側面から振り返りながら、分析対象とする労働所得課税と法人課税の税体系の中での位置づけを試みる。第Ⅱ章では、労働所得税制の歴史的変遷を展望した後、それが戦後経済のなかで果たしてきた役割を評価する。そこでは、税制改革がライフサイクルのどの次点で行われたかにより、世代間での負担レベルと負担構造に大きな違いを生み出すことが明にされる。第Ⅲ章では、企業の税負担の国際比較に基づいて、日本での法人税負担が国際的にみて重くなっている原因は、地方の法人課税にあることが指摘される。さらに資本コストの要因分解から、法人税負担が高かったにも関わらず高成長が実現できたのは、高インフレにより実質的な資本コストが低下していたためであったことが明らかにされる。

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  • 「企業財務データを利用したTax-adjusted Q の計測」

    前川 聡子, 上村敏之

    『大阪大学経済学』   49/1 ( 1 )   22 - 38   1999年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:大阪大学  

    企業の行動を理論的に説明し、それを実証的に裏付けていくことはマクロ経済学における主要なテーマである。特に投資論理については、新古典派による Tobin の Q 理論が代表的見解であるが、Q 理論による設備投資モデルは実証面で裏付けることが難しいという問題を抱えてきた。様々な工夫により実証研究が行われる中、上村・前川(1999)では、Q 理論に基づいた設備投資関数を企業財務データを利用して産業別に推定し、法人税改革による影響についてシミュレーション分析を行った。本稿では、その上村・前川(1999)での投資関数の推計に利用したTax-adjusted Q の計測方法を解説し、その結果を提示する。本稿の特徴は、企業の財務データを用いて個別企業ごとにTax-adjusted Q を計測していること、その結果を産業別の投資動向とあわせて視覚的に捉えているところにある。 産業別の結果の図から推測されることは、オイルショックやバブル期の影響はあるもののTax-adjusted Q と投資率との間におおむね正の相関が伺えることが明らかとなった。これは投資関数を推計した上村・前川(1999)の結果を裏付けるものといえる。

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  • 「中小企業政策のビックバンに向けて」 (共著)

    前川 聡子, 跡田直澄

    『税研』   /81   1998年

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    要旨 不況の深刻化を受けて中小企業支援策の充実が議論されているが、そのほとんどは、これまでの制作を引き継いだものに過ぎない。景気対策も重要であるが、日本経済の活性化を目指すならば、中小企業政策にも抜本的な構造改革が不可欠である。本稿では、これまでの中小企業政策の実質的な効果を検証し、その結果をもとに、今後求められる中小企業支援策についての提言を行う。 具体的には、資本コストという指標を用いて分析し、これまでの政策は中小企業に対して所得分配的に機能してきたことが明にされる。今後の中小企業支援政策としては、起業時やベンチャー企業に限定かつ期限を設けた金融・税制面の優遇措置を設けること、経営基礎強化や生産性向上に結びつく投資を促すため、中小企業のグループ化やM&Aを促進させる制度の設備を提言する。

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  • 法人事業税改革の論点 査読

    前川 聡子, 跡田直澄

    国際税制研究   /1,94 ( 1 )   94 - 101   1998年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:納税協会連合会  

    要旨 近年ようやく本格的に検討されることになった事業税について、本稿では企業負担に対する改革の影響を実証的に分析し、その結果と租税理論を踏まえながら、事業税の外形標準化の実現に向けた提言を行った。具体的には、現在議論されている外形標準化案について、その改革による企業負担への影響を、企業規模別、業種別に資本コストの変化を推計することにより明らかにした。 計測の結果、事業税を外形標準化により資本コストは小さくなることが明らかとなった。議論されている改革案(所得型付加価値、消費型付加価値、地方消費税化)の中では、消費型付加価値の場合に資本コストを下げる効果が最も大きくなる。ただし、資本コストの変化を借入に関する部分、自己資金に関する部分、税制上の損金算入に関する部分に分けて分析すると、これまで税制上の損金算入の恩恵を受けてきた業種や借入に頼る等の非効率的な経営をしてきた中小企業において資本コストが上昇することが明らかになった。 企業の負担軽減という観点からは、事業税の外形標準化のうち消費型付加価値で行う方がよいということがいえる。しかし、消費型付加価値と同じ消費を課税ベースとする地方消費税が既に存在していることから、税の整合性という点では、事業税の改革を所得型付加価値で行う必要がある。

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  • 「法人税改革案の検証」

    前川 聡子, 跡田直澄, 吉田有里

    『税経通信』1998年1月号   53/1 ( 1 )   70 - 77   1998年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:税務経理協会  

    要旨 バブル崩壊以降、日本の経済の低迷は長期化し、最近ではむしろデフレ傾向が強まっている。このような経済成長の伸び悩みの背景にあるのは、日本経済のシステムに構造的な問題があるからである。今回の法人税改革も、日本経済の構造改革の一環として議論されているものと捉えることができるが、実際には政府・経済界・政界のそれぞれの利害がからんでなかなか実施に踏み切れてない。そこで本稿では、現在出されている改革案のもとでの経済的な効果を分析した。 具体的には、大蔵省や経団連の改革案による税収への影響とマクロ経済への影響をシミュレーションにより明らかにした上で、代替案として景気対策としての効果と構造改革としての効果の双方を考慮したより現実的な改革案を提案した。分析の結果、大蔵省案では改革期間中は税収中立、減収効果は改革が終了した7年後であるため、景気対策としては効果が薄いこと、経団連案では減税規模が大きすぎ、深刻な財政赤字を抱える今の財政状況では実現の可能性が低いことが明らかとなった。そこで、本稿ではより効果的、現実的な改革案として次のような案を提案した。まず減税を2年間先取りして行うことで企業の活力を回復させた後、3年目から6年目にかけて財政収支均衡型で構造改革としての課税ベースの拡大等を行うのである。この結果、先行減税による景気回復の効果は大蔵省案よりも大きく、しかも構造改革は政府の構造改革機関である6年間に終わらせることもできる。

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  • 「法人税政革への提言-日本経済活性化のための実現可能な法人税率-」

    前川 聡子, 本間正明

    『税研』   /75 ( 75 )   30 - 37   1997年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:日本税務研究センタ-  

    要旨 法人税改革は日本経済の活性化を図る上で必要不可欠な改革の1つである。本稿では、法人税改革を国税のレベルと地方税のレベルの2段階で行うことを提言する。国税レベルでは、課税ベースの適正化と税率引き下げをあわせた税収中立型の改革と公共投資の削減を財源とした実質減税を行い、地方税レベルでは事業税の外形課税を導入する。これにより、最終的には32%前後まで法人税率の引き下げが可能になり、国際的な税率の格差も解消される。

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  • 「企業の海外進出と税負担-日本の電気機器産業の対アジア投資の要因分析-」

    前川 聡子

    修士論文の英訳 国際財政学会(1997年)報告   1997年

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    要旨 グローバル化にともなう企業の海外進出急増から日本経済の空洞化が懸念され、法人税改革をめぐる議論でも国際的な税負担の違いを是正することが強調されている。果たして税負担の格差は企業の海外進出にも影響を与えているのだろうか。この点に注目して本研究では、日本の電気機器産業のアジア進出の決定要因と税制との関係を分析した。 本研究の分析で注目したのは、企業が特定の国に進出するかどうかという選択に、進出先の税制要因が影響を与えているかどうかという点である。そのため、具体的な分析手法としてロジット分析を採用した。各投資先の税制要因の違いは各国の資本コストで評価し、その他の要因として、日本との相対的な賃金格差、投資先のインフラの整備状況や集積効果(日本企業の同産業の進出数)なども考慮した。 分析から明らかになったのは、1970年代には賃金要因の影響力が大きかったのに対し、90年代に入るとインフラの整備状況だけでなく、税負担の違いといった政策的な要因が影響力を持ってくるようになったということである。この結果に基づくと、今後の法人税改革にあたっては、・蟷饑茲隆屬任寮派蘆瓦琉磴ぃ及び・鐱椶箸修梁召旅颪箸寮派蘆完磴ぃの両方が重要な論点であると言える。

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書籍等出版物

  • 『実践 財政学』

    前川聡子( 担当: 共著 範囲: 第10章「経済のグローバル化と企業課税・金融課税」)

    有斐閣  2017年4月 

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  • 『社会保障一体改革への途』

    前川聡子, 跡田直澄( 担当: 共編者(共編著者))

    清文社  2007年5月 

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    本格的な少子高齢社会を迎える日本において、持続可能で安定した公的な社会保障を提供するにはどうすればよいのか。現行制度の抱える問題点を明らかにするとともに、改革の方向性を提言している。

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  • 『公共経済学』第4章 設備投資と法人税

    前川 聡子, 岩本康志( 担当: 共著)

    東洋経済新報社  2005年7月 

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  • 『企業の投資行動と法人課税の経済分析』

    前川 聡子( 担当: 単著)

    関西大学出版部  2005年3月 

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    本書は、経済の成熟化・グローバル化のもとでの日本の法人税制のあり方を考える研究書である。第1部では、日本経済の成熟化およびその活性化という視点から、現行の日本の法人税制が抱える問題点を実証的に明らかにし、第2部では、経済のグローバル化にともなう税制と企業行動との関係について分析を行っている。

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MISC

講演・口頭発表等

  • 「地方財源の充実」

    前川 聡子, 橋本恭之

    『地方分権下の地方財政についての実証的研究』NIRA研究報告書  2000年 

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    要旨 地方分権の時代を迎えるにあたって、地方の歳入面での改革を行うことは不可欠である。本稿では、地方税収の拡充を図るとともに現行交付制度税制度についても見直す抜本的な改革案を設計し、改革による国と地方の財政関係への影響を分析した。地方税改革としては、所得税と住民税との共同税化および住民税のフラット化の2つの改革案を提示した。交付税についてはさ娶鯢媽任瞭各・鮓‘い靴拭く

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  • 『日本の寄附とボランティア』

    前川 聡子, 清水裕子, 山内直人

    NPO研究フォーラム (Mimeo)  1999年 

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    近年、NPO(Nonprofit Organizations 非営利団体)や NPO への寄付・ボランティア活動に対する関心が非常に高まっている。しかしながら、その実態を客観的なデータによって明らかにした資料はほとんどなく、日本における NPO 活動の研究を発展させていくためには、早急な基礎的資料づくりが求められている。

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 「失われた20年」における生産性低迷と税・財政政策の有効性

    研究課題/領域番号:24530376  2012年4月 - 2015年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    前川 聡子

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    配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )

    1990年代以降、日本経済が長く低迷した背景には、経済環境の変化が企業行動に変化をもたらしたことがあると考え、日本企業の設備投資・研究開発投資の変化とその要因を分析した。その結果、①1990年代以降、日本企業は、企業価値への貢献は考えずキャッシュフローがあれば設備投資するという行動から、企業価値を高める投資を選んで行うようになった。②①の変化には、海外投資家の日本企業株式保有の増加が影響を与えている。③研究開発投資も、減税によるインセンティブ効果は小さく、むしろ企業の経営状況に左右されることも明らかとなった。

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  • 日本における税制改革の税収と構造的財政赤字に対する影響について

    研究課題/領域番号:13730072  2001年 - 2002年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  若手研究(B)

    前川 聡子

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    配分額:1000000円 ( 直接経費:1000000円 )

    (1)問題意識
    現在、日本の財政は膨大な累積債務を抱えており、その解消に向けた方策を打ち出すことは重要な政策課題の1つとなっている。累積債務を解消するということは、最終的には現在および過去の歳出分を将来世代の負担で賄うことを意味する。そのため、財政赤字を考える際にはとりわけ世代間で負担の不公平が問題となる。世代間での不公平をできる限り小さくしながら財政赤字の問題を解決するためには、まず現時点でどの程度の世代間格差が生じているのかを明らかにする必要がある。そこで、平成14年度においては、日本における世代別の生涯にわたる公的負担と公的受益の流列を推計した。なお、負担だけでなく公的受益も取り上げたのは、負担と受益のバランスも世代間の公平性の観点から問題になると考えたからである。
    (2)分析手法
    ライフサイクルモデルに基づいた家計を想定した上で、『家計調査』の勤労者世帯・世帯主年齢階級別のデータから作成したコーホート・データを利用して、各世代のライフサイクルの公的負担を計測。受益についてはSNA等のマクロデータを1人あたりに換算した。
    (3)研究結果
    1.ライフサイクルの負担を見ると、どの世代も年を経るにつれて負担は上昇し、壮年期(40〜50歳)で最も高くなる。各世代を一生涯全体での負担額の合計(割引現在価値)で比較すると、1980〜1990年代に壮年期を迎えた1950年生まれの世代が最も高い負担合計額であった。
    2.受益についても、早い世代ほど、手厚い社会保障のおかげで大きな受益を受けていることがあきらかとなった。遅い世代では、負担超過になっている世代もある。
    財政赤字を解消し、世代間の不公平を解消するためには、公的負担のライフサイクルでの平準化と社会保障も含めた歳出抑制の改革が必要である。

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担当経験のある科目(授業)

  • 公共経済学

    機関名:関西大学

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  • 財政学

    機関名:関西大学

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教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)

  • ○専門科目(「公共経済学」、「財政学」、「経済政策」) ・必ず前回の復習をしてから、本日の講義に入るようにしている。 ・パワーポイント・教材提示など、板書以外の視覚機材も用いて講義内容をできる限りわかりやすく伝えるように工夫している。 ・教科書に記載されている知識だけでなく、現実の政策・財政についても興味を持ってもらえるよう、客員教授(民間シンクタンク常務取締役)に講義して頂いたり、新聞記事などを紹介したりしている。 ○演習科目(「経済学演習」) ・グループ単位での調査・研究を基本とすることで、単に専門的な知識の習得だけでなく、協調性の大切さなども学んでもらうようにしている。 ・ゼミの時間以外に、サブゼミ・オフィスアワーの時間を設けている。 ・ゼミでの研究成果を、学内外の交流ゼミ・対抗ゼミで発表するとともに、最終的には論文にまとめて、学内の懸賞論文に応募している。

作成した教科書、教材、参考書

  • 特になし

教育方法・教育実践に関する発表、講演等

  • 特になし

その他教育活動上特記すべき事項

  • ゼミでの研究成果が学内の学生懸賞論文(経済学会主催)で入選を果たした。 (2006年度 2等2本、2007年度 2等1本)